ま え が き


 この度,平成22年度の年次報告書を作成しました。年次報告書は,本学の活動状況に関し年次報告と自己点検・評価としてまとめたものであり,昭和60年度版(昭和61年12月発行)の発行以来,通算で第26号に当たります。
 この年次報告書は,第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」,第二章「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」, 第三章「本学評価基準に基づく自己点検・評価」及び第四章「資料編」の4つの章で構成されています。
 「組織の運営状況に関する自己点検・評価」では,本学の運営状況について各組織の活動状況を通じて自己点検・評価を行いました。ここから,平成22年度の本学の運営状況を見ることができます。
 また,「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」では,大学教員自らが自己の教育・研究活動等の現状を客観的に把握するとともに,特色ある点や改善点等を明確にすることにより点検・評価を行っています。特に,教育活動の授業関係(教育方法及び成績評価面での取組,教育の達成状況)や研究指導関係(学部,大学院)などは,教育の質の向上に大いに役立っているものと考えています。
 さらに,「本学評価基準に基づく自己点検・評価」では,大学としての質の向上を目指し,本学独自の評価基準により自己点検・評価を実施しています。14項目を平成21年度から3ヵ年計画で実施するものであり,平成22年度は5項目を実施しました。
 最後に,「資料編」では,本学の活動状況を数字でまとめたもので,データとして蓄積しているものです。

 平成22年度は,未曾有の大災害,東日本大震災がありました。本学では,被災地から新潟県へ避難している児童・生徒等への学習支援等のため学生ボランティアを派遣したり,被災地ボランティア日帰りバスツアーを実施するなどの支援を行ってきました。今後も本学の特色を活かした支援を実施していく予定です。
 評価という点においては,平成22年度に教員養成評価機構の実施する教職大学院認証評価を受審し,同機構が定める教職大学院評価基準に適合している旨の評価を受けました。このことにより,本学の大学院専門職学位課程(教職大学院)は第三者機関により質の保証がなされました。
 また,平成22年度は第二期中期目標期間の初年度に当たり,新たなる目標を達成するため年度計画に取り組むことにより,国立大学法人としての質の向上の促進と社会への説明責任を果たしてきました。

 今後も,本学の自己点検・評価結果などを踏まえ,本学の持つ知的,人的,物的資源を最大限に活用しつつ,幼稚園・小学校・中学校・高等学校等の学校現場,他大学,他機関,地域との連携協力,海外高等教育機関等との国際交流を進めながら,本学の使命である優れた実践力を備えた教員の養成と現職教員の資質向上に向けて全学をあげて取り組んで参ります。

 本年次報告書をご覧になった方々から,忌憚のないご意見,ご助言や激励等をお寄せいただければ幸いに存じます。

平成 24 年 1 月
 
上 越 教 育 大 学 長
若 井 彌 一