あ と が き
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上越教育大学では,組織,運営,教育研究活動等全般にわたる年次報告書を昭和60年度版(昭和61年12月発行)から作成・発行してきており,この平成28年度版で第32集を刊行するに至りました。このあとがきでは,本年度の年次報告書について各章ごとに総括します。
第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」に関して,管理運営組織等,学生支援,附属施設等においては概ね順調に取り組まれています。教育・研究組織等に関し,各組織がそれぞれの立場において課題を挙げていますので,本学としてもその内容を見極めつつ,さらなる改善を図ります。
なお,本年度は,特に注目される点として以下のことを挙げることができます。
<国立の教員養成大学・学部(教員養成課程等)卒業者の教員就職率で全国第5位>
平成29年1月31日に文部科学省が発表した「国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の平成28年3月卒業者の就職状況」において,本学学部卒業者の教員就職率(大学院等への進学者及び保育士への就職者を除く。)は80.0%で,全国44大学・学部中,第5位であった。4年連続で5位以内を維持する結果となった。
<アクティブ・ラーニングスペースの整備>
附属図書館内に授業や協働学修を行う際に必要となる設備やICT 機器等を整備するとともに,新たに附属図書館内の一部を講義室として予約できる体制を整備し,附属図書館がアクティブ・ラーニングスペースとして,授業(4科目)や学生の主体的・協働的学修を支援する場所として有効に利用された。また,既存の教室等の教育環境について設備の整備・充実を行い,グループディスカッションや個別発表などに対応できるようにした。
<「上越地域における教育課題の解決に向けた研究推進検討会議」の設置>
現代的教育課題の解決に向けた研究を推進するため,新たに「上越地域における教育課題の解決に向けた研究推進検討会議」を設置した。同検討会議では,教育委員会や学校現場等との連携体制強化及び教育委員会や学校現場等と連携して研究を推進する組織体制として,上越地域4市の各教育委員会から委員として出席しており,第1回の会議を平成29年3月に開催した。協議の結果,今後の取組課題5点が絞り込まれ,各テーマに沿った取組を本学から提案することとした。
<「上越教育大学若手教員のための在外研究支援要項」の策定>
次世代を担う若手教員の研究推進に資するため,若手教員を対象とした長期間の海外との研究交流支援について基本方針を検討し,平成29年度に公募,平成30年度からの渡航に向けて,「上越教育大学若手教員のための在外研究支援要項」を策定した。40歳以下等の条件を満たす本学の大学教員を対象に,目的地までの往復に要する旅費や現地での滞在費を支援することとした。
<科学研究費助成事業の採択率の向上>
科学研究費助成事業の新規採択率35%の目標を達成するため,支援体制強化の方策について検討し,各種取組を実施した。
新たな取組として,申請上の留意点をまとめたチェックリストを作成し,申請者によるセルフチェックを導入したほか,初めて申請する者及び過去に採択実績の無い者から提出された申請書を学術研究委員会研究推進専門部会の委員がチェックし,採択につながるように記載内容の修正を求めた。
これらの取組の結果,平成29年4月1日における交付内定時の新規採択率は,45.8%となり,前年度に比べ13.7ポイント上昇した。さらに,継続分を含めた全体の交付金額においても,64,700千円となり,前年度に比べ10,000千円増加した。
第二章「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」に関して,各教員は教育活動,研究活動,社会との連携活動について,積極的に取り組んでいます。特に近年は,社会的活動状況が増加傾向を示しています。これは,教員の養成のみならず教育研究成果を社会に還元し,地域と共に学びの場を創造するという,本学大学憲章の理念が浸透してきていることの証ではないかと考えられます。また,本年度自己点検・評価書の回収率は95.24%(147人中140人)でした。各教員の教育・研究指導の状況に係る自己点検・評価が授業の内容及び方法等の改善に結びついて欲しいと考えています。
本編の根拠として第三章に「資料編」を添付いたしました。最後に,本報告書の作成にご協力いただいた教職員各位に対して謝意を表しますとともに,学内外の関係各位からのご意見・ご助言をいただきたく,この場を借りてお願い申し上げます。
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平成 29 年 12 月 |
上越教育大学副学長
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大学評価委員会委員長
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小 埜 裕 二
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