大学院学校教育研究科修士課程における修了認定?学位授与,教育課程編成?実施及び入学者受入れの方針
第1章 総則
1 教育の理念?目的
上越教育大学(以下「本学」という。)は,本学大学憲章に基づき,子供の未来を切り開くことのできる確かな実践力を備え,我が国の教育を担う中核的?指導的な教員の養成を目指している。
教員という職業は,豊かな人間性に支えられた専門職である。その専門性には,子供たちの学習と生活を支援でき,そして人類の築き上げた文化を全体として理解?把握する,つまり様々な学問分野の考え方を整理?統合し,人間の文化的営みを理解できる総合的な資質?能力が求められている。
そのため,本学では,「21世紀を生き抜くための能力(基礎力?思考力?実践力)」を身につけ,「人間力(優れた人格?豊かな感性?未来創造力)」を備え,さらに「教育実践力(豊かな教養?高度な専門的知識?優れた教育技術?使命感?創造力?人間愛)」及び「学び続ける力」を有する教員を養成する。
2 大学院学校教育研究科修士課程の目標
学校教育に関する理論と応用を教授研究し,広い視野に立つ精深な学識を授け,教育にたずさわる者の使命と熱意に応え,その研究研鑽を推進するとともに,初等中等教育の場において将来的視点で教育研究を創造的に推し進めることのできる高度専門職業人を養成する。
第2章 修了認定?学位授与の方針(ディプロマ?ポリシー)
3 修了認定?学位授与の方針の定義
教育の理念?目的及び大学院学校教育研究科修士課程の目標に基づき,どのような力を身に付けた者に修了を認定し,修士(教育学)の学位を授与するのかを定める基本的な方針であり,学生の学修成果の目標となるものである。
4 修了認定?学位授与の方針
- 大学院学校教育研究科修士課程で所定の単位を修得し,学位論文又は特定の課題の審査及び試験に合格することにより,以下に示す能力と条件を満たした者に対して,修了を認定し,修士(教育学)の学位を授与する。
- ア 教育の理念?方法及び人間の成長や発達について,臨床的又は教科教育の多様な視点から理解している。【基礎力】
- イ 学校現場における様々な課題について,各学問分野の理論や方法を用いて分析し,多様な解決策を提案できる。【思考力】
- ウ 一人一人の子供の学習と生活を支援できる,高度な実践的指導力を有している。【実践力】
- エ 教職に求められる専門的知識ばかりでなく,広い視野に立つ深い学識を修得し,人間として求められる豊かな教養を身に付けている。【教育実践力】
- オ 教育に対する熱意を持ち,教育者としての使命を深く自覚している。【教育実践力】
- カ 初等中等教育の場において教育研究を創造的に推し進めることができる。【教育実践力】
- キ 学校教育に対する社会のニーズを意識して教育実践を省察し,自らの専門性を高めていくことができる。【学び続ける力】
- ク 善いものや美しいものに憧れる感性を備え,多様な人々と協働しながら,よりよい未来を構想することができる。【人間力】
第3章 教育課程編成?実施の方針(カリキュラム?ポリシー)
5 教育課程編成?実施の方針の定義
ディプロマ?ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容?方法を実施し,学修成果をどのように評価するかを定める基本的な方針である。
6 教育課程編成?実施の方針
- (1) 大学院学校教育研究科修士課程の目標達成に資するよう,カリキュラムは以下の科目で編成?実施する。
- ア 学校教育に携わる専門職に求められる高度な力量の基礎となる学識と教養及び技能を体系的に身に付ける科目(共通科目)【基礎力?教育実践力】
- イ 現代の教育課題と学術研究の進展に対応した高度な専門性を形成し,各専門領域の方法論と研究手法を身に付ける科目(専攻科目)【思考力?教育実践力】
- ウ 現代の教育課題に対して,自らの専門性を理論的?実践的に活用できる力を,学校現場等における実践を通して身に付ける科目(実習科目)【実践力?教育実践力】
- (2) 上記(1)のアからウまでを総合的に学修する中で,教育研究を創造的に学ぼうとする態度及び豊かな人間性を育成する。【学び続ける力?人間力】
- (3) 学修成果の評価については,各科目の評価基準をシラバスにおいて明示するものとする。
7 教育課程の保証
学生の入学時の教育課程は,原則として当該学生が修了するまでは保証するものとする。
8 教育課程編成の体制
教育課程の編成については,本学が定める教育課程の編成基準等に基づき,全教員が協力体制の下で行うものとする。
第4章 入学者受入れの方針(アドミッション?ポリシー)
9 入学者受入れの方針の定義
教育の理念?目的,ディプロマ?ポリシー,カリキュラム?ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ,どのように入学者を受け入れるかを定める基本的な方針であり,受け入れる学生に求める学修成果を示すものである。
10 入学者受入れの方針
- (1) 修士課程では,以下に掲げる学生を求めており,そのために,筆記試験及び口述試験により入学者の選抜を行う。
- ア 教育及び専門領域の内容について,学士課程卒業相当の学識,技能及び研究方法を身につけている。【基礎力】
- イ 教育をめぐる現代的諸課題について,専門的な知見をもとに,その対応方策を体系的?総合的に考え,その過程や結果を適切に表現することができる。【思考力】
- ウ 学校等に対する社会のニーズを踏まえ,生活や社会,環境の中に問題を見出し,解決に向けて主体的に取り組もうとする意欲を有している。【実践力】
- エ 自己の学修課題?研究課題を明確に意識し,積極的に学修を進めていくことができる。【学び続ける力】
- オ 自己の人格及び感性を高め,多様な人々と関わりながら社会に貢献しようとする態度を備えている。【人間力】
- (2) 心理臨床コースでは,教育をはじめとして,医療,福祉,司法,産業など様々な分野で貢献できる心理専門職の養成ならびに
現職教員の再教育を目的としていることから,上記(1)のアからオまでに加え,以下に掲げる学生を求めている。
- ア 臨床心理学及び近接領域の基礎的な知識を有している。【基礎力】
- イ 学校をはじめとして様々な臨床現場に関連する諸課題について研究と臨床の両側面から論理的に考えることができる。【思考力】
- ウ 心理臨床の専門的技術を修得する意欲と態度を有している。【実践力】
附 記
1 この方針は,平成31年4月1日から実施する。
2 この方針は,平成31年度入学者から適用する。ただし,入学者受入れの方針は,平成31年度学生募集から適用する。
3 平成30年度までの入学者については,従前の方針を適用する。